+カンノ・カンパニー20周年
( 2010.1.1 現在 )


現在取り組んでいるプロジェクト


「人を活かすシステムを開発する
Systems that bring out the best in people」

カンノ・カンパニーをはじめて20年が経った。すごいことだ。20年生き残った。独立したときは、「まず、将来のビジョンを明確にする。」などと言っていたが、20年先のことまでは考えは及ばない。10年だって無理だった。

独立した理由は、3つあった。

  1. クリスチャンになって聖書を学んでいくにつれて、その聖書の世界観でビジネスをやってみたくなった。
  2. 子供をたくさん育てて、聖書教育をホームスクールでやりたいので、経済的支えと時間の余裕が欲しい。
  3. 聖書を土台にした訓練の場として働きの場を提供したい。

さて、この目的は達成できたのだろうか。

  1. サラリーマンを辞め、独立して自分会社を始めたことは、聖書の世界観を身近なものとするために、なんとすばらしい自己鍛錬の場だろうか。
  2. はじめたのは、ちょうど、二人目の子が生まれた時だった。今では、6人の子供がいて、全員、はじめから今までホームスクールで教えることができ、毎日、午前中は、聖書の学びでいっぱい。なんと驚くべき祝福だろうか。
  3. 残念ながら、100人の社員はいない。社員は、長男と長女のふたり。それも悪くはないが、自分の子供を職業訓練するのはお互いに限界がある。この課題は、次の世代に相続したい。きっと、人を活かす職場を創造してくれるだろう。

16年前の拙著のあとがきに次のように書いた。

− まず、原則を十分に理解することに集中してください。すこしぐらい、スタートが遅れても良いではありませんか。そうしないと、情報に押し潰され、混乱してしまいます。基礎的技術と試合のルールを身につけるまでは、大きな試合には出られません。原則は、一見簡単なあたりまえのことのように見えますが、あたりまえのことをあたりまえにやることは、本当に大変なことです。あたりまえのことを最高の品質で行なおうとするチャレンジが成功の秘訣です。それによってまた、原則の意味の理解が深まるものです。 −

マックによるデータベース・マーケティング〈4thDimension編〉(1994)
http://www.amazon.co.jp/dp/4877190341/

短く言えば、「原則は単純、適用には知恵、成功には忍耐」。この忍耐こそが、原則で知恵なのだ。主を待ち望むことを教えられる。 これを学ぶのに10年かかった。


最も影響を受けたビジネス本(もちろん聖書は別にして)

成功する「自分会社」のつくり方 (1988)
マイケル・E. ガーバー (著), クリストファー・D. ウィットマー (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4478370362/
− この本がなかったら自分会社を始めてない。クリスありがとう。

The High-Tech Marketing Companion (1993)
Dee Kiamy (Author)
http://www.amazon.com/dp/0201626667/
− この本に掲載されていたムーアの論文で新しいアイデアとつきあう方法がわかった。Apple社のデベロッパ向けニューズレター恐るべし。キャズム理論は、後に、出版され邦訳された。
キャズム (2002)ジェフリー・ムーア (著), 川又 政治 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4798101524/

The Way of the Guerrilla: Achieving Success and Balance as an Entrepreneur in the 21st Century
Jay Conrad Levinson (Author) (1997)
http://www.amazon.com/gp/product/0395770181/
− 「成功」について考えさせられる。4つの仕事の分類はうまかった。

ビジョナリー・カンパニー 2 (2001)
ジェームズ・C. コリンズ (著), 山岡 洋一 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4822242633/
− 忍耐して、石の車輪を押し続けよう。

非営利組織の経営 (ドラッカー名著集 4 ) (2007)
P.F.ドラッカー (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4478307059/
− 1991年に出版された本の全集版。全集版の方で、初めて読んだ。ミッションを成し遂げるための5つのポイントは、聖書の契約の5つのポイントにそっくり。

最も実を結んだプロジェクト

本「マックによるデータベース・マーケティング」の出版
− データベースマーケティングの原則を紹介し、それを実現する自社ソフトウェア「フォローアップ!」を説明し、それを自分でやってみたストーリーが書かれている。1994年、読者から励ましのファクスや電話を驚くほど頂いた。出版したら、 「フォローアップ!」が売れると思っていた。ところが、なんと十数本しか売れず、大失敗の大赤字プロジェクトだった。
しかし、出版から6年後の1999年の秋、読者であった後藤さん(現ケンコーコム社長)が声をかけてくれて、ケンコーコム(http://kenko.com/)の裏方を担当する。今まで、毎月、実を結んでいる。10年のおつきあいになった。カンノ・カンパニーの歴史の半分、最も長い、メイン・クライアントである。

最も強力な商売道具

4D (4thDimension) http://www.4d.com/jp/
− 4Dに出会ったのは、1987年 v1.08 (MacPlus, System7)。マウスがついたパソコンは、マッキントッシュだけ。ウィンドウズも、インターネットも、携帯電話も、IT(情報技術)ということばさえなかった。このツールだけではと、他の開発環境をさがし続けているものの、ぴったりのものが見つからず、いまだに4D。職人なので道具が変えられない。とはいえ、あの時代から、20年後の今まで生き残っている同一言語開発環境って他にあるのかなあ。主からの奇蹟の賜物。

最も励ましとなったバックグラウンドミュージック

バッハ:無伴奏チェロ組曲 (1985) ヨーヨー・マ (1982録音)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005HMQ6/
− 喜びの時に、ともに喜び、泣くときに、ともに泣いてくれた。

最も長いつきあいの仕事の友

龍角散ののど飴
http://www.kenko.com/product/item/itm_8221021072.html
− なんどもこの飴でひきはじめのカゼが癒され、口の中がさっぱりして、定番だった。ところが、最近、その座を「Fisherman's Friend」に明け渡した。http://www.fishermansfriend.com/


そして、20年目に、カンノの箴言に「人生は、たまたまとかんちがい」が加わった。実に小さなたまたまの積み重ねによって人生は動いていく。日常の気がつかないような静かな不思議が種となり、あとで、大きな豊かな実を結ぶことになる。「たまたま」とは、振り返るといつも驚かされる神様の導きである。しかし、一方、ただ天からの種を口を開けて待っていれば良いものではない。かんちがいと言えるほどの大胆な望みを抱いて歩むならば、自分が思ってもいなかったような方法で、次の段階に到達し、後になって「そういうことだったのか」と新たに確信を深めることになる。「かんちがい」とは、これもまた、驚かされる神様の導きである。

カンノ・カンパニーは、千年続く優良企業にはならなかったようだが、自由で幸いな自分会社であることは間違いない。

主に感謝せよ。主はまことに慈しみ深い。その恵みはとこしえまで。

感謝 +カンノカズヒコ 2010/01/01